2020年11月1日日曜日

地色が淡いアマミウラナミシジミ

 アマミウラナミシジミは、日向市では毎年ではない

けれど、時々見かける蝶です。南方から夏に飛来して

時々発生していると考えられています。

 今年、裏面の地色がいつもよりうすい個体を見つけました。

南方新社の昆虫の図鑑に、日本未記録の近似種にも注意と

あったのを思い出しました。


8月30日、日向市米の山 光の具合か?、この時点で何か

いつもと地色が違うと感じました。


ネットを車に取りに戻って採集。

新鮮な個体です。


 その後、9月13日までに5♂採集。

以前採集した個体と並べてみました。

 

鮮度が同じ位の♂の裏面です。

上の段、左2頭の地色がうすいのが分かります。

表もやはり左上2頭は色がうすいです。

 

 そこで図鑑類6冊とネット検索でアマミウラナミシジミ

を調べてみました。

 まず日本の南西諸島に分布するものの学名は、

Nacaduba kurava septentrionalis  で、27亜種ある

N. kurava  の中のひとつの亜種とか。

東南アジア近辺に広く分布し数も多いN. kurava 、日本

近辺の亜種の可能性もありそう。

 

 また、日本亜種は季節により裏の地色はうすくなること

もあるらしいが、それは低温期で、第1化の個体に見られ

るらしいのでこれはないかも。

 Nacaduba属は、約50種ぐらいに分けられていて

(中には同種の場合の雰囲気もありそうですが)とても

小生ごときの素人には区別するのは無理。

 しかしこの属は、N. berenice グループとN. pavana 

グループに斑紋の違いで分けられていて分かりやすい。

裏面の前翅中室端帯より内側に斑紋のあるのは kurava 

を含む berenice グループです。日本で記録される可能性

のある近似種のひとつ pactolus はこれで脱落。

 あと、台湾、フィリピンに分布するものを拾っていくと

kurava の台湾亜種と南中国に分布する亜種、berenice の

台湾亜種とフィリピン亜種、beroe のフィリピン亜種と

台湾亜種の6亜種に絞ってみました。他は可能性がない

訳ではないんですが。


 これら候補種を重点的に図鑑と見比べ。表の色の違い

裏の地色の違い、図鑑によって色合いが違うので判断は

ちょっと無理な感じ。斑紋の違いも分かりません。

 

 2012年発刊のタイの図鑑に、地色が濃淡2種類

ある種 N. kurava euplea を見つけました。分布は広く

ネパール、ブータン、北インド、タイ、ラオス、北ベトナム

南部中国で日本近辺に分布する種のリストにあげたひとつ。

 beroe は表裏ともに濃色。berenice は、亜種によって

濃かったりうすかったり、台湾亜種とフィリピン亜種の

図は見れなかった。



左は 多分N. kurava euplea  2010.8.10 ラオス産 

中尾健一郎氏から頂いた標本。

右は 2007.10.3  日向市細島産

小生には、裏の斑紋の違いは分かりません。

最後にアップ写真を。


8月30日 日向市


9月13日 日向市

色々思いめぐらすのは楽しいですね。

kurava euplea  の可能性はあるのかな? 

単なる日本亜種の変異なのかな?

あるいは?・・・

 




 

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