2013年1月29日火曜日

今年入手した図鑑類

今年の冬は例年より随分寒く感じます。年のせいか屋外に出るのが少々おっくうです。雪を見に山に行く気にもなれません。  今年入手した図鑑のまず1番目、カメムシの図鑑。1巻、2巻に載っていない珍しい種が沢山出ていますが、前の巻の訂正あり、検索あり、・・・3冊を全部使えばより正しい?同定ができそうです。しかしまだ4巻も出すらしい。まだまだ載りきらないカメムシは沢山いるらしい。小生みたいな初心者はさらに同定の自信を失います!?。
次、昨年7月に出たトンボの図鑑。もう何冊か持っているので要らないかな、とも思ったんですが、時々トンボの名前が変更になるし、最近の動向も気になるところ。コンパクトでも内容は充実。使いやすくていい本ですね。やっぱり名前の変更もありました。
これは図鑑じゃないですが、インゲン豆などを使ってゼフィルスを飼育する方法が紹介してある冊子です。キリシマミドリシジミが時期外れに孵化した時、豆でうまく飼育できるかも。
昨年タイで発刊されたタイの蝶の図鑑です。一昨年でた”タイ国の蝶”はセセリとアゲハとシロチョウだけしか載ってませんでしたが、これは全部の科が載っているようです。1604の種と亜種が図示されています。英語とタイ語?で記載してます。図もきれいだし値段も意外に安い。楽しめそう。  他に欲しい図鑑まだまだありますが移り気な小生、きりがないです。

2013年1月25日金曜日

冒頭の虫の写真

ブログ冒頭の写真、ベニトンボはもう飽きたので、取り換えました。
2012年7月22日に日向市東郷町で撮影したものです。竹の葉上にいました。
派手な虫ですが、何の幼虫かはっきりわかりません。
多分ウンカ類の幼虫だろうとは思うのですが、どなたか教えて頂けたら嬉しいです。

2013年1月20日日曜日

ミドリカスミカメ?

1月19日、今日も快晴。昼ごろは暖か。近所に買い物に出かけました。店の横の植え込みに1匹アブが飛んでいました。クロヒラタアブでしょうか?
そのうち、花の方へ移動。
別の花には何やらカスミカメがいます。今頃!!
普通種だったら、ウスモンミドリカスミカメでしょうが、図鑑で調べても体形が少し違うような気がします。ミドリカスミカメ(Lygocoris 属)の類のような気がするんですが。日向市内の菊の花に、秋に多く見られるカスミカメもこれによく似たミドリカスミカメがいますね~。
撮影条件が少し違うと、色も少し違った感じ。     カスミカメはどれも同定が難しいですね~。
これは同じカスミカメの幼虫でしょうか。

2013年1月19日土曜日

小倉ヶ浜の午後

1月16日、天気も良く暖かだったので、久しぶりに小倉ヶ浜へ。  到着した時、外気温はなんと、16度!! 寒い日が続いていましたが、今日は何か虫は動きだしているかな?
バナナ?はほとんど霜にやられて無残!
バナナの実も熟しきれない様子。
波打ち際にはカラスがいっぱい。何かついばんでいます。
あちこちにほじくった跡が。
ハマグリがあちこち顔を出しています。
ほじくった跡の付近には、・・・
ハマグリを食べようとしたのか?
砂に模様があります。
線の先端は、砂が少し動いています。
少し砂をどけてみると、巻貝が動いていました。
カラスは離れた場所に移動。随分警戒しているみたい。    虫の方は、草むらで1匹小さな蛾が飛んでいましたが、写真に撮れず。

2013年1月16日水曜日

我が家に棲む虫はインターナショナル!?

以前、この蛾の写真、名前がわからないもので出したことがありますが、先日中尾氏らのブログDigital Moths of Japan を見ていたら、カシノシマメイガの生態画像が出ていました。 これと全く同じもの! 原色日本蛾類図鑑 (上)保育社 にも出ていました。見直してもこれだとはちょっと思えない!初心者の落とし穴?       ”幼虫は貯蔵穀物、菓子類、澱粉、干果等食物をつづって巣をつくり、その中にあって食害する” とあります。ブログには、”乾燥した動物の糞などを食べ、”とも。 なんかちょっと汚らしい感じですね~。心当たりがないわけではないんで。  名前の由来なんですが、昆虫でカシと付いたら植物の樫をすぐ思い浮かべるんですが、どうやら、菓子によく発生する縞のあるメイガ という事でこの名がついたらしいんです。   ところでその分布、”ほとんど世界各地”だとか。  我が家に棲む虫にもインターナショナルなものが出てきました!       普通種なのかな?と思ったんですが、宮崎県の生物(1992年)や、日向市史 自然編(2006年)などを調べてもこれは見当たりません。あまり多くないのかな?

2013年1月14日月曜日

日本と中国のアサギマダラ(亜種)の違いは?

前回、中国産の展翅標本18♂3♀と日向産17♂28♀の展翅標本を比較しました。それをもとに気づいた違いをいくつか挙げてみます。                               まず色調の違い。この標本は上2頭が日向産の♂。 下が中国産の♂です。 日本産は、全体的に前翅後翅とも黒味がより強いようです。特に後翅はその差異があるようです。中国産の後翅は色が濃いですが赤味が強い印象です。     

これは♀ですが、上2頭が日向産。 下2頭が中国産。やはり同じような変化があります。                          しかしこれらの変化は個体差があって、特に日向産の標本は、鮮度がさまざまでしたので、♂も♀もそうですが個別の判断には決定的でない感じです。   腹部背面の色。中国産は後翅の色調とほぼ同じ赤味がかった茶褐色で、個体差はほとんどありませんでした。 一方日向産のものは、黒褐色からやや赤味を帯びた暗灰褐色で、個体差が随分ありました。  この腹部の色、区別するにはかなり有力になりそう。
上翅先端の紋様。 これは日向産の♂。雌雄差はあまりない部分ですが、翅脈の5脈から6脈の間(5室)にある半透明白斑。 中国産は細長く途中が少しくびれる傾向。6室の白斑は、中国産は細長く翅端の方へ5室の白斑と同じくらい伸びている。  日向産は、5室の白斑はやや短く、6室の白斑はさらに短く5室のものの半分以下の長さ。   ここは目につきやすく、区別するには有用かも。
これは典型的な中国産。
これは6室の白斑が半分消えかけています。中国産です。
これはどちらとも判断しずらい斑紋です。日向産です。
これも日向産です。  このような紛らわしい個体は少数です。
性標です。 後翅裏の性標にある微細な白毛の広がりは日向産、中国産とも同じような個体差があり、違いはなさそうです。   この標本は日向産。腹部の色に注意。
これも日向産。
これは中国(四川省)産。
これも四川省産。
これは日向産の表です。 性標から基部へ伸びる線条の色、特に3脈にあるものは表裏とも中国産は後翅紋様の色と同じかやや明るい赤褐色。日向産のものは、表の方は付近の紋様の色調よりさらに黒っぽい印象。腹部の色はあまり黒っぽくないのがちょっと気になります。
♀の下翅。  これは中国産。 中国産の2脈3脈にある線条の色は、付近の紋様の色調よりやや薄い感じですが、
日向産のものは、色は同じく薄くなるものの灰色を帯びています。
これは日向産の1♂6♀です。 少し中国産に似ているものを集めてみました。           アサギマダラの日本亜種(Parantica sita niphonica ) は、本州から南西諸島(八重山まで)に分布し、地理的変異はほとんどない。(1972.藤岡) 台湾産のものとも区別できない。(1960.白水)  これぐらい形態は均一であるようですが、今回の日向産の個体にはやや変異?変化があるようです。この標本のように中国産にちょっと似通った変化のある個体がありました。       小生の今年の新春の夢です。梅雨の晴れ間、日本各地に集まったアサギマダラの中に中国から飛来したものはいないものかと。

2013年1月13日日曜日

中国と日本のアサギマダラ

中尾氏より以前頂いた多数の中国の蝶、その中のアサギマダラの標本を、年末年始ながめていました。  湖北省羅田(武漢の東約100km の所)の3♂2♀(いちばん上の列)と四川省(産地は不詳)の15♂1♀の標本です。いずれも2007年に採集されたもの。学名は、Parantica sita sita :インド~中国亜種 とされています。
これは日向の細島で採集した標本です。2008年10月22日~30日の分。秋になるとどこからか集まってきます。北日本からの移動個体もいると思うのですが、いままでマークされた個体を見たことはありません。
これも同じく細島産。10月下旬~11月1日の分。
これも同じく細島産。11月の採集。日本のアサギマダラの学名は、Parantica sita niphonica :日本亜種 とされているようです。
これは湖北省のもの。上が♂で下が♀。左の♀はちょっと感じが違うような気がするんですが、これも P.s. sita でいいんでしょうか?
これは四川省の上♂、下♀。
これは日向の細島産の左♂、右♀。  日本亜種と中国亜種の違い、区別点、手持ちの中国、台湾、タイ、ラオス等の図鑑類を見ても、図はあるものの説明はほとんどありません。  ネット検索で Moore (1883)が日光産の標本を使って niphonica を原記載した論文を見つけました。誤訳を恐れず要約すると、niphonica は tytia (中国亜種のこと)より大きく、前翅はより黒く、翅先端の線条は広く、上方の丸い斑紋は小さくより卵形。その下の外縁の丸い斑紋もより小さく並んでいる。さらに外縁の斑紋はより大きく明瞭である。  ♂後翅の翅脈は黒味がかっている。性標とそこからの線条は非常に黒い。小室の中には赤い線条はなく、非常に不明瞭な細い灰色の線がある。翅の縁にある斑紋は、多少退化している。   以上、大きさや斑紋の性状の違いの記載のみです。                                                アサギマダラは、春から初夏にかけて北上し、秋に南下して長距離移動する個体がいることが知られています。その中で、2008年12月、石川県から中国の浙江省に移動した例や、2011年12月、和歌山県から香港まで移動した例があります。南西諸島や台湾だけでなく(南北間の移動)、中国大陸の方まで移動する例があるんですね。 逆に中国大陸から日本にやってくる例はないのでしょうか? 風向きを考えると、日本に来る方がはるかに簡単そうですが。 中国大陸から来る蝶(オオヤマミドリヒョウモン)、蛾(コブノメイガ、シロオビノメイガ)、ウンカ(トビイロウンカ、セジロウンカ)、蠅(オオクロバエ)など既に知られているものもいくつかあります。                次回はこれら手持ちの標本で、日本産と中国産の違いについて指摘してみたいと思います。